[虹の光 愛物語 VOL.1 RED]エピソード.11

11. そのあと

한국소비경제신문 승인 2022.03.21 15:47 | 최종 수정 2022.03.21 17:02 의견 0

家に帰った日の夜からイルジュンは病を患った。咳をして胸の痛みを主張し、熱も38度まで上がった。ある日夢を見た。朝早く学校に行ったのに誰もいなかった。運動場と学校、教室すべて見回してみたが一人もいなかった。もう一度出ようとするとドアが閉まっていて完全に真っ暗な夜になっていた。どこからかイルジュンを追ってくる変な声が聞こえてきてイルジュンは耳を塞ぎ廊下をひたすら走った。 イルジュンが行くところ毎に電球が消えた。イルジュンは終わりのない暗闇の中でずっと走っていた時に足がもつれてしまった。足を出したところに床がなかった。イルジュンは悲鳴を上げ終わりなく下に落ちていった。夢から覚めたイルジュンは冷や汗をかいていた。

結局すぐに病院に行って、熱は下がったが気力が回復するまでに時間がかかった。おかゆを食べては胃痙攣をおこしたりもした。その誰もイルジュンがなぜこのような症状になっているのか知ることができなかった。たった一人、イルジュンだけがその理由を知っていた。学校に行ったことをイルジュンは後悔していた。学校に関する夢を見るとその日一日ずっと体が重かった。

イルジュンは仕方なく一日のほとんどを寝て過ごした。時々スンジェが遊びに来て学校でもらった雨やチョコレートをくれたりもした。しかしイルジュンは一つもだべることができなかった。そのように半年くらい患った。おばあちゃんは老人クラブをやめ一日中イルジュンを世話した。

完全に回復してからも一人で家にいる時間が増えた。スンジェは何度も安否を確認しにイルジュンの家に遊びに来た。しかしその頻度はどんどん減っていき最近はほとんど訪れることがなくなった。イルジュンの学校は歩いていくには少し遠かった。スンジェが居座っているという叔母の家も正確には分からず行くことが難しかった。なのでもどかしかったがただスンジェが来てくれるのを待つしかなかった。

そのようにしてイルジュンがしきりに待っている間、スンジェは新しい友達をたくさん作ったようだった。いつか市場に入る道端でスンジェとばったり出会った。雪が降っていた日、笑うスンジェと手をつなぎ永遠に友達でいられるよう約束した道端だった。スンジェの周囲には知らない顔の友達が多かった。室内履きの鞄を振り回しふざけるスンジェは幸せそうに見えた。なのでどうしてもスンジェの名前を呼ぶことは出来なかった。

ウンシルも同じだった。イルジュンは何度かウンシルに会いに行こうと学校を徘徊した。しかし一度もイルジュンを見つけることは出来なかった。イルジュンは少しずつ疲れていった。今は好きだという心よりも、過去に一緒に遊んだ記憶がしばしば浮かんではなつかしく一度だけでも顔を見れたらいいなという考えた。しかし毎回失敗に終わった。

イルジュンはもう一度ドゥリュ公園を訪れた。何か計画を持っているわけではなかった。ウンシルが車で待ったら、ドゥリュ公園に登ってきて家に帰る時だけでも会うことができるのではないか、という漠然とした考えのためだった。

ドゥリュ公園に登り商店街の方を見つめ、イルジュンはとても驚いた。イルジュンの身長よりも大きい工事の案内板が立っていたからだ。工事のため迷惑をおかけしてすみませんという文句が書かれた案内板だった。案内板が指しているところには防御壁も、幕も、鉄のしきりもなかった。

工事の幕のフェンスである程度隠れてはいたが高さがなかったので知ることができた。商店街がなかった。ドゥリュ理髪店が、工場がなかった。裏通りに入るレンガ壁と町をなしていた家もすべてなくなっているようだった。裏道に入る入り口が正確にどこにあったのかイルジュンは見当をつけようとした。しかし当時の記憶が出てこなかった。土が掘り返され工事の装置が散らかっているだけだった。イルジュンはとぼとぼと歩きベンチにしゃがみ込んだ。長い間その光景に目を離すことができなかった。つらい心で拳をぎゅっと握った。

山の中腹に日がさしかかり、暗くなってきた。胸がチクチク痛むようだった。徐々にどくんどくんと跳ねる心臓を一生懸命抑えて、イルジュンは歩みを引き返した。

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